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エイプリルフールに生まれたバイク

1960年代のGPシーン。
当時、大半の出場車が2stの中、HONDAの4st6気筒やMVアグスタのマルチに混じって単気筒のレーサーが栄冠を争っていました。
話は1963年に行われた第1回日本グランプリ。
シリーズ最終戦のこのレースで栄冠に輝いたのはホンダの4気筒RC166・250ccレーサーに乗るジムレッドマンでした。
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*HONDA RC166 250 RACER 1966
注目すべきは、この日ジムレッドマンとポイント争いをしていた相手がなんとイタリアの空冷単気筒レーサーのモトモリーニだったのです。
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*MOTOMORINI 250 ビアルベロ グラン プレミオ 1963
当時のGPシーンにおけるこの状況を見続けていた一人の男がいました。
島英彦氏。
彼は当時、八重洲出版、モーターサイクリスト誌のスタッフ、リキ・レーシング・ディベロップメントのレーシング・マネージャーを務めていました。
30馬力程度の単気筒がなぜそんなに速いのか?
彼は当時のGPシーンを見ながら本気で速い単気筒のバイクを作ろうとしていました。
その後、76年に彼はシマR&Dを設立し、間も無くモト・ライダー誌からマシン製作の依頼を受けました。
注文は当時、人気の中心だった大排気量のモンスター・カフェレーサーでした。
しかし彼は三栄書房の鈴木社長を説得し、軽くて幅の狭い単気筒ロードマシンの製作を決めます。
エンジンは1976年に発売されたYAMAHAの単気筒オフロードバイクXT500のものを使用しました。
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*YAMAHA XT500 1976
エンジンと車体が軽くコンパクトであれば、バンク角を得やすい分、低重心となり、扱いやすくなると言うのが彼の考えでした。
フレームはダブルクレードルのものを採用し内部には窒素ガスが充填され、損傷が圧力の低下で判る様になっていました。
同時にスイングアームも作製しました。
しかし公道を走る為のナンバーが取れず、結局レーサーとしての道を歩む事となりました。
ロードボンバーと名付けられたこのマシンは「軽く、小さく、乗りやすい」をコンセプトに、マルチエンジンを相手に互角のパフォーマンスを発揮する理想のバイクだったのです。
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*SHIMA 498 ROAD BOMBER 1963
あまりにコンパクトなポジションからステップに足を載せ損なう事もあったそうです。
ガソリンタンクはFRP製で上面中央の帯はガソリンの残量を知る為に無塗装となっています。
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DUCATIがこれと同じ方式を採用していましたが残量目視の為の無塗装部分は側面にありました。
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*DUCATI 750 SS
したがって給油のタイミングは、監督が行う事となりライダーからは読みとる事ができません。
反対にロードボンバーはライダー本人が読みとる事が可能です。
ロードボンバーの製作には最終的に500万近く掛かったそうです。
ロードボンバーは後にレース仕様車のIXが作成され、1976年の鈴鹿6時間耐久に出場し「勝算は全くない」「よせばいいのに」と酷評されながらも、それらのマシンと互角の安定した走りを見せ、0-400m、14.28秒、最高速度177.6kmをマークし、総合8位、クラス6位入賞という素晴らしい成績を残しています。
一般デビューは1977年発売のモト・ライダー4月号誌面上にて「ヤマハXT500ロード・ボンバー4月1日発売」との名目で突如発表となりました。
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*1977年モトライダー4月号
これは4/1のエイプリルフールにちなんだ冗談記事だったのですが当時国産ビックシングルモデルがなかった為、この話が評判となりYAMAHAにバイクの注文が殺到し、XT500の予約キャンセルや、購入の為に愛車を処分した人が相次いだそうです。
この出来事をきっかけにYAMAHAでは本格的に市販を狙った単気筒ビックシングルの開発に着手しました。
そして翌年の1978年東京モーターショーでSR400/500が発表されたのです。
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*YAMAHA SR400 1978
このようにロードボンバーとSRの開発物語は、日本のバイク史上に残る特筆すべきものと言えるでしょう。
SRはXT500をベースに開発された為、アップハンドルやアンダーガードはモトクロス風の出で立ちです。
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*SRアンダーガード
ロードボンバーで完全新設設計されたダブルクレードルのフレームはXT500のものをベースとしたセミダブルクレードルとなりました。
発売当初はワイヤースポークホイールでしたが、アルミキャストホイールへと仕様変更した時期があり、販売台数が激減、ユーザーからの強い要望で急遽スポークホイールに戻され難を逃れた事がありました。
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*YAMAHA SR400 1979
この仕様変更がなければ、この後SRが生産される事はなかっただろうと言われています。
その後、売れ行きが落ち込み、絶版が検討された事もありましたが、ちょうど同じ時期にレーサーレプリカブームが終焉し、レトロブームが到来、当時国産メーカーから発売されていたその手のバイクはSRしかなかった為、再び販売台数を伸ばすと言う幸運にも恵まれました。
このブームが結局現在までのロングセラーに結びついたと見られています。
1985年フロントブレーキをディスクからドラムに変えると言う、当時としては異例の退行的モデルチェンジを行いました。
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*YAMAHA SR400 1985
これはアフターマーケットでドラム化カスタムが存在するなど、SRがレトロバイクとして人気を博していた為と思われます。
また同年、より高いパフォーマンスを狙った兄弟車のSRX400/600が登場しており、それらとの差別化も図っていたようです。
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*YAMAHA SRX400
この時期、これらと同時にハンドルは低くセットされ、ステップの位置を後退する等、メーカー純正の状態でややカフェレーサー的スタイルになっています。
2001年には保安基準が強化され、その対策の為、ドラッグスターの前輪を流用し、再度フロントブレーキをディスク化しています。
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*YAMAHA SR400 2001 ポスター
尚、この基準強化のあおりを受けて、カスタムショップによるドラムブレーキへの改造キットは販売中止となりました。
SR500に関しては前後ともドラムブレーキであった為、欧州の規制強化に対応できず、また日本国内においても排ガス規制の実施を受け、2000年に生産が中止されました。
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*YAMAHA SR500 2000
2008年9月には自動車排出ガス規制が強化され、SRはそれに対応出来なかった事から、販売30周年を迎えたこの年、惜しまれつつも生産を終了する事となりました。
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*YAMAHA SR400 2008 30ANIVERSARY MODEL
SRは2008年の生産停止までに累計12万台の販売台数を誇った人気車種であった事から、ユーザーから規制への対応による復活が期待され、YAMAHAはフューエルインジェクションを搭載した環境規制対応モデルを開発し、 2009年の第41回東京モーターショーにおいてSR400(F.I.)として参考出品した後、2010年モデルとして2009年12月21日に再発される事となりました。
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*YAMAHA SR400(F.I.)2010
このようにYAMAHA SRは1978年発売以来現在まで基本設計やデザインをほぼ変更する事無く販売され続けているロングセラーバイクです。
ちなみに俺の愛車は1983年製のSR400をベースにしたカフェレーサーです。
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*YAMAHA SR400 1983
俺様も「単気筒でも4気筒と同等に走る事ができる」と言う島英彦氏の思いを受け継いだ男の一人であります。
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*愛車1983年製YAMAHA SR400 2011年4月現在
今年はガタついたステムベアリングと腐り切ったフロントフォークオイル交換しないとな。
偶然ながら今日エイプリルフールですか。
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  1. 2011/04/01(金) 14:12:55|
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Author:DIRTY●GUITAR
ダーティーヌンチャク気違いギターボルテージ、ダーティーギター様による衝撃の暴言活劇「雑音怪人ファイル」。
彼を取り巻く様々な人間模様とロックンロールの彼方に迫る大スペクタクルロマン。
立ち上がれ日本人よ!
我がダーティーヌンチャクと共に…

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